文責: もがみたかふみ
[有象無象]編集長、初文フリ
文芸同人誌[有象無象]は、半年に一度の東京文フリに新刊を出すことを目標としている。まぁ目標っていうか、活動の一つの目安ですね。
→文学フリマ – 文学フリマ公式サイト-お知らせ
これまでなぜか私の予定が合わなくて文フリ参加できずにいたんだけど、今回、ついに初参加。なかなか楽しかったので、所感と楽しみ方など。
流通センターで下りたら、小さなキャリーカートを抱えた若い女性がモノレールを降りることにびっくりした。ホームに降りたらいるわいるわ。彼らは旅行者に偽装していた文士だったのだ。なぁんだ、てっきりリア充かと思っていた(もしかして失礼)
会場に入ったらまずチェックするといいのが、チラシコーナーと立ち読みコーナー。
チラシを見よう!
お店の人の前で店をジロジロしたりするのは恥ずかしいし…というシャイなクラスタ(私のことです)に大人気のチラシエリア。テーブルに各ブースが出したチラシが並べられている。
チラシエリア最高。だってどんなにジロジロ見ても、話しかけられたりしないし。
各ブース工夫を凝らしたチラシを置いているので、好きなだけジロジロ見よう。気になるチラシは持ち帰ってジロジロ。ああもうジロジロ。
見本誌を見よう!
お店の人の前で立ち読みしたりするのは気恥ずかしいし…というシャイなクラスタ(私のことです)に大人気の見本誌エリア。見本誌エリア最高。だってどんなに立ち読みしても、話しかけられたりしないし(そんなに話しかけられたくないか)
各ブースが自分とこの新刊1部を置くことが義務づけられており、多くは既刊も置いているので、立ち読みし放題。立ち読みに関する限りAmazonなんかメじゃないね。特に文学系の同人誌は、じっくり読んで評価したいもの。立ち読みエリアを活用したい。
刊行物には、ちゃんとラベルが貼られて、ブース番号や出展者名も書かれている。気に入ったものがあったら買いに行けばいい。ブースで話しかけられるのが恥ずかしいなら、ブースに金をほうり投げるようにして一冊持って逃げればいいのだ(いけません)。当然だけど、どんなに恥ずかしくても見本誌持ち帰っちゃダメだよ。
私はここ見本誌コーナーで何冊か気になるのを発見し、購入を決めてからブースに行った。
ブースの人に話しかけよう!
シャイじゃないクラスタにおすすめ。ブースの人に話しかけたりとか。立ち読みさせてもらったりとかしよう。
繰り返して参加すると、だんだん知り合いが増えてくるし、常連さんもわかってくるぞ。
私は話しかけたりするの苦手な方だけど、買うつもりで行った時には「これ向こうの立ち読みで見かけて」とか話すくらいのことはする。けっこうブースの人も喜んで話してくれて楽しい。
カレーを食べよう!(クルミドコーヒーもあるで)
東京会場で提供されるターリー屋さんのカレーが美味しいと評判。「中辛」「辛口」といった表記がついているので参考に。個人的には、「辛口」で普通の中辛くらいかなー。表記のイメージよりもマイルドな感じ。
夕方になると「2つで1個分」みたいな投げ売りが始まった。ご飯代を節約したいカップルにはオススメ……かもしれない。新宿に何店舗かあるのね。南新宿店はけっこう私の行動範囲かも。
クルミドコーヒーの出版部「クルミド出版」が文フリに参加していて、クルミドコーヒーも会場で提供していた。長蛇の列だけど。
お昼ご飯はほぼほぼターリー屋さんが供給源であり、美味しいから別に不満はないけれど、席があまりない。天気が良ければ、ちょっと外階段の開けたところにブルーシート敷いて食べるのよさそうかな……ダメかな。
今回縁あって購入したもの
というわけで、今回の文フリで私が買ったものを勝手乍らご紹介。
カフェモンスター
→Ghost disco
→めりづか◆コミティアさ15b(@milippe)さん | Twitter
手書きイラストによるカフェ紹介。筆者がそのときに頼んだドリンクやデザートが軽妙なイラストで描かれていて、お店データも載っている。お店の量がけっこう半端ないので、これはホントのカフェ好きの犯行。精緻な書き込みにもカフェ文化への愛情が垣間見えてグッド。
昔『超時空世紀オーガス』で「チョコパフェモンスター」というコードネームがあったのを思い出す……別に思い出す必要はないか。
PENTAX Q変愛読本
カメラ関連の同人サークル「デュアルパトローネ」さん。
→in POCKET
→Guiniol@5/5ティアし06a(@Guiniol1)さん | Twitter
PENTAX Qシリーズはナノ一眼を名乗る極小のレンズ交換式デジタルカメラ。小さくてキュートな外観は類を見ないガジェット感。
ちなみにどこかのwebで見かけたPENTAX Qの感想には「LUMIX GM1の方がほぼ同サイズでセンサーサイズがでかいからQを買う意味などない」とあったが、わかってない。スペックでデジカメ愛を語るなんてわかってない。たしかにGM1は実用的だ。でもレンズでっかち。
Qは本体のみならずレンズまでも小さくて、おもちゃみたいで、何より可愛い。レンズもスペックを重視するというよりは、個性(低画質と紙一重の)を楽しむというタイプのカメラ。この読本はQへの変愛/偏愛が爆発しており非常によい。
別の本だけど、110フィルムカメラへのこだわりも素晴らしい。欲しくなっちゃう。ガジェット偏愛万歳。
2001年の夏休み 東京大学駒場寮写真集
→2001年の夏休み 東京大学駒場寮写真集 – TOMOKO OOSUKI – BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)
→オオスキ トモコ(@cafe_petit)さん | Twitter
たまたまブース前を通りがかったら見つけてしまった逸品。撮影者の本業はイラストレーターなんだそうだが、駒場寮が廃寮になる直前の2001年に駒場寮の写真を撮影していたのだそうだ。寮の中が懐かしくて買ってしまった。
昔、私が出入りしていた駒場寮の友人(というか伝説の『有象無象』初代編集長なんだが)の同室の方がライターになったというのは聞いていたが、そのライターの方が出した駒場寮の本も置いてあり、なかなか浅からぬ縁を感じた。[有象無象]のメンツに報告したところ、みんなブースをのぞいてきたらしい。
マクベス
→切り絵デザイン製作所 codomopaper | 切り絵 | マンガ | 雑貨 | ギフト
こちらの作者の方の切り絵絵本『マクベス』を購入。
切り絵で作られた漫画がいい味。シェイクスピア『マクベス』をなぞるのではなく、バックストーリー的になっているのもいい。
次回11/23(水) やっぱり流通センターにて
というわけで、なんか楽しい文学フリマ。
ところで結局自分が購入したのは全部いわゆる「文芸」ではなくて、写真集だのマンガだの……とビジュアル系なのに自分で愕然とする。どうやったら文芸誌って買ってもらえるんだろう。どうしたらうちの本を好きになる人に、手にとってもらう機会を作れるのか? これは難題だ。
今回いろいろ経験して、考えたことをまた次回の[有象無象]ブースで試してみたいと思います。ちなみに今回[有象無象]ブースでは、異なる作家が「ぞうあつめ」というタイトルで書いた掌編を2種類、フリーペーパーとしてお配りしておりました。次回は私も参戦しようかしら。
それにしても最近の文芸同人誌ってすごいんだねぇ。製本技術が上がって、というか製本代が手に届くところに下りて来たってことなんだろうけども、立派な文庫本みたいな製本があったり、なんかさぁ、コピー誌とかしこしこ作ってた高校~大学時代を懐かしくも遠くなりにけり、て思い出しちゃったよ。今でもコピー誌がないわけじゃないけどねぇ。なまじ商業誌よりもいい紙を使ってるとかいう話もあったりとか、なんかすごいね。未来の稀覯本は同人誌から、てことになるかもね。
前回までは流通センターの第二展示場、今回は同じ流通センターの第一展示場だったんだけれども、たまたま空いていたので、という運営からの話だった。次回はまた第二展示場に戻るということで、11/23(水)、流通センターにて。[有象無象]はこれに合わせて005号を作成しますよ。きっと。
会場が流通センターということで「通りすがりに」という人はあまりいないかもしれないけれど、ちょいと足をのばしてのぞいて欲しいイベントです。
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